十一月中寅日 鎮魂祭歌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/17 23:47 UTC 版)
「阿知女作法」の記事における「十一月中寅日 鎮魂祭歌」の解説
あ~ち~め―(一度)、お~お~お―(三度) ①あめつちに きゆらかすは さゆらかす かみわかも かみこそは きねきこう きゆらならは あ~ち~め―(一度)、お~お~お―(三度) ②いそのかみ ふるやしろのたちもかと ねかふそのこに そのたてまつる あ~ち~め―(一度)、お~お~お―(三度) ③さつおらが もたきのまゆみ おくやまにみかりすらしも ゆみのはすみゆ あ~ち~め―(一度)、お~お~お―(三度) ④のほります とよひるめかみたまほす もとはかなほこ すゑはきほこ あ~ち~め―(一度)、お~お~お―(三度) ⑤みわやまに ありたてるちかさを いまさかへては いつかさかえむ あ~ち~め―(一度)、お~お~お―(三度) ⑥わきもこが あなしのやまのやまのもと ひともみるかに みやまかつらせよ あ~ち~め―(一度)、お~お~お―(三度) ⑦たまはこに ゆうとりしてて たまちとらせよ みたまかり たまかりまししかみは いまそきませる あ~ち~め―(一度)、お~お~お―(三度) ⑧みたまみに いまししかみは いまそきませる たまはこもちてさりくるみたまたまかへしすなや ⑨ひと ふた み よ いつ むゆ なな や ここの たりや 意味が判明していないところが多く、漢字を当てたとしても、その漢字が意味と合っているかも判っていない。歌なので、音はそれほど変遷していないとの仮定で、ひらがな表記とした。 「あちめ」とは安曇磯良を指し「お~お~お―」とは返答の声とする説がある。しかし、安曇磯良は男神であり、「阿知女」と「女」の漢字がつくのは後世に当て字と考えうるも詳細は不明である。また、「うずめ」の転訛とする説もある。 ①「ゆらかす(振らかす)」の言葉が使われており、鎮魂祭にあたり、天皇の衣を動揺させることを歌った可能性がある。「きね」とは巫女である可能性もあるとされる。 ②「いそのかみ ふるやしろ」とは石上神宮を指していると考えられる。 ③「さつお」とは猟夫と漢字で当て、猟師のこととされる。 ④「とよひるめ」とは天照大神であるとされる。「ほこ」は矛であるとされるが、意味不明。 ⑤「みわやま」は三輪山である。「ちかさ」は茅草の転訛とする説もある。 ⑥「みやまかづら」とは、山蔓などで作った鬘という説がある。 ⑦「たまはこ」とは、魂の鎮まる函。実際には葛函という。 ⑧「たまかへしすなや」は、「ゆっくりお留め申すがよい」と訳す説もある。 ⑨数を1から10まで数えており、十種神宝の呪法として有名な「ひふみの祓詞」と関係があると考えられる。
※この「十一月中寅日 鎮魂祭歌」の解説は、「阿知女作法」の解説の一部です。
「十一月中寅日 鎮魂祭歌」を含む「阿知女作法」の記事については、「阿知女作法」の概要を参照ください。
- 十一月中寅日 鎮魂祭歌のページへのリンク