化学組成と熱的性質
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/13 21:56 UTC 版)
「イスラムガラス」の記事における「化学組成と熱的性質」の解説
イスラムガラスは芸術的価値以外にも耐熱性と製法に関心がある。イスラーム世界での化学実験にはイスラムガラスでできた蒸留機器が使われていた。アジアにも耐熱ガラスは輸出されており中国陝西省法門寺からイスラムガラスが出土し、宋代の文献である諸藩志からも茶器とともに耐熱ガラス製の茶碗が使用されていた可能性が高い。西洋より早くイスラーム世界では、実用化された耐熱ガラスが9世紀から10世紀頃に作られた可能性が示唆される。ローマガラスと同じくイスラムガラスは多くがナトロンガラスが初めは作られており、Mg・Kに乏しい化学組成が特徴である。9世紀中頃からの急な天然ソーダの枯渇が原因とされる、ナトロンガラスから植物灰ガラスへの製法の転換があった。正倉院に収蔵されるガラス器具にはソーダガラスがありイスラムガラスの変遷に合致している。
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