動物による利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/11 17:39 UTC 版)
フィチン酸の形のリンは、非反芻動物ではフィチン酸消化酵素であるフィターゼ(英語版)(フィチン酸を加水分解しリン酸を遊離する酵素)がないため、一般に吸収されにくい。一方反芻動物はルーメン(反芻胃)内の微生物によって作られるフィターゼがこれを分解するためフィチンを利用できる。 現在、非反芻動物(ブタ、ニワトリなど)は、主にダイズ、トウモロコシなどの穀物で肥育されているが、これらに含まれるフィチンは動物に吸収されずに腸管を通過するため、自然界のリン濃度を上昇させ、富栄養化などの環境問題につながる恐れがある。飼料にフィターゼを添加することでフィチン由来のリンの吸収を増すことができる。 またいくつかの穀物で、種子のフィチン酸含量を大幅に低下させ無機リン含量を上昇させた品種が作出されている。しかし生育に問題があることからこれらの品種は広く利用されるに至っていない。
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