動機と用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:36 UTC 版)
ヘルムホルツ方程式はしばしば、時間と空間の両方を含む偏微分方程式が関わる物理学の問題を扱うときに現れる。そうした偏微分方程式を扱うにあたって変数分離を行うことにより、時間によらない部分 としてヘルムホルツ方程式が出てくるのである。 例えば波動方程式 ( ∇ 2 − 1 c 2 ∂ 2 ∂ t 2 ) u ( r , t ) = 0 {\displaystyle \left(\nabla ^{2}-{\frac {1}{c^{2}}}{\frac {\partial ^{2}}{\partial t^{2}}}\right)u({\boldsymbol {r}},t)=0} を考える。関数 u(t) が時間部分と空間部分に分離できると仮定して u ( r , t ) = A ( r ) T ( t ) {\displaystyle u({\boldsymbol {r}},t)=A({\boldsymbol {r}})T(t)} と変数分離し、これを波動方程式に代入し整理すると ( ∇ 2 + k 2 ) A = 0 ( d 2 d t 2 + ω 2 ) T = 0 {\displaystyle {\begin{aligned}(\nabla ^{2}+k^{2})A&=0\\\left({\frac {d^{2}}{dt^{2}}}+\omega ^{2}\right)T&=0\end{aligned}}} という2つの微分方程式が得られる。ここで k は分離定数であり、また ω = kc とおいた。これで、空間変数 r に関するヘルムホルツ方程式と、時間に関する2階の常微分方程式が得られた。時間の常微分方程式の解は角振動数 ω の sin と cos の線形結合で表される。一方、空間の微分方程式の解は境界条件によって決まる。また、ラプラス変換やフーリエ変換などの積分変換によって、双曲型の偏微分方程式がヘルムホルツ方程式に変換されることもある。 ヘルムホルツ方程式は波動方程式と関連があるので、電磁波の放射、地震学、音響学などの物理学の諸分野で出てくる。
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