勁と力
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 02:15 UTC 版)
勁と力の違いを明らかにするならば、まず勁の定義と力の定義を明確にしたうえでなければならないが、各門派により勁の定義と力の定義は大分異なる。これらを考慮していくと煩雑になるので、およそ共通する『勁』の特徴を挙げていく。 勁の速度と外面上の拳脚の速度は一致しない。 勁の大きさと外面上の動作の大きさは一致しない。 勁の大きさと発する際の主観的な力感の大きさは一致しない。 勁を発する際、勁が体内を通過する感覚がある。 通過するときに知覚する速度と実際の勁の通過速度は一致しない。 勁を蓄えることは弓を引くかの如し。勁を発することは矢を放つかの如し。 また練習者に共通する主観として 力は出ていかないが、勁は出ていく 力みがあるとそこで勁が止まる 損失無く発し切れた場合は何ら力感や手応えを感じない というものがある。 楊式太極拳の陳炎林によれば 力は骨に由り、肩背に没して発することができない 勁は筋に由り、能く発して四肢に達することができる 力は有形であり、勁は無形である 力は方(四角)であり、勁は円である 力は滞り、勁は暢やかである 力は遅く、勁は速い 力は散じ、勁は集まる 力は浮き、勁は沈む 力は鈍く、勁は鋭い という特徴を挙げている。
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