労働価値説の萌芽
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 03:56 UTC 版)
マルクスはウィリアム・ペティを労働価値説の始祖として評価した。1662年に出版されたウィリアム・ペティの『租税貢納論』には以下のような指摘がみられる。 もしある人が、1ブッシェルの穀物を生産しうるのと同じ時間に、銀1オンスをペルーの大地のなかからロンドンにもってくることができるとしよう。この場合、一方は他方の自然価格(natural price)である。ところが、もし新しい・しかももっと楽な〔採掘ができる〕諸々の鉱山のおかげで、ある人がかつて1オンスを獲得したのと同じ容易さで、銀2オンスを獲得することができるならば、そのときには、他の条件にして等しい限り、穀物は1ブッシェルが10シリングでも、かつて1ブッシェルが5シリングであったのと同様に安価である、ということになるであろう。 ただし、彼は「すべての物は、二つの自然的単位名称、すなわち土地および労働によって価値づけられなければならない」とも述べており、完全に労働価値説に立ったわけではなかった。
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