剣戟スタア・大河内傳次郎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 14:13 UTC 版)
「大河内傳次郎」の記事における「剣戟スタア・大河内傳次郎」の解説
澤田正二郎譲りのリアリズム、火花を散らすような大河内の立ち回りの秘密は、強度の近眼にあった。立ち回りでは刃引きをした「ホンミ(真剣)」を使った。絡みの役者は殺陣師の指示に従い、斬られる部分に綿を入れてかかっていくが、大河内は相手の身体に刀が当たらなければ承知しなかった。 刃引きはしていても真剣が当たれば相手は生傷、タンコブだらけとなり、大河内との絡みには「膏薬代」が出た。伊藤大輔は大河内の立ち回りについて次のように語っている。 バンツマ(阪東妻三郎)は間合一寸で抜く、(市川)右太衛門は舞踊ですから呼吸を合わせれば怪我はない、(嵐)寛寿郎は正確無比に剣が飛んでくる、これも殺陣の段取りが狂いさえしなければ安心です。それぞれに、避けようがある。傳次郎これはぶっつけ本番で、避けも逃げも出来ません。迫力が出なければ嘘になりましょう — 伊藤大輔、大殺陣 チャンバラ映画特集 大河内は『鞍馬天狗』の近藤勇役で嵐寛寿郎と絡む時は必ず抜き身の真剣を使った。嵐は「一番怖かったのは大河内傳次郎」、「あの人、近眼でっしゃろ。怖かったですよ」と語っている。
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