刑事訴訟法上の心神喪失
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 06:12 UTC 版)
刑事訴訟法上も心神喪失概念があり、被告人が心神喪失になった場合は公判が停止される(刑事訴訟法314条本文)。被告人の心神喪失が恒久的なもので回復の見込みがない場合は、公判を打ち切ることもできる(最決平成7年2月28日刑集49巻2号481頁、千種秀夫裁判官補足意見)。一方、判決が無罪、免訴、刑の免除あるいは公訴棄却であることが明らかな場合にはその判決を直ちに下すことが出来る(刑事訴訟法314条但書)。 なお、ここにおける心神喪失は被告人としての重要な利害を弁別し、それに従って相当な防御をすることのできる能力を欠く状態をさすものであり(前記最決平成7年2月28日)、その意味内容は刑法上の心神喪失と必ずしも同一ではない。会話・文字・点字・手話等のコミュニケーション能力を一切もたない者は、刑法上心神喪失となるわけではないが、刑事訴訟法上は心神喪失となることがある。
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