分散投資に適するかの論争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 01:52 UTC 版)
「ヘッジファンド」の記事における「分散投資に適するかの論争」の解説
現代ポートフォリオ理論によると、合理的な投資家は平均分散分析に基づく最適なポートフォリオ(1単位のリスクに対し最も高いリターンを与えるポートフォリオ)に投資しようとする。ヘッジファンド(特にマーケット・ニュートラル(英語版)なヘッジファンド)の魅力の1つは株式などの伝統的投資との相関が少なく、従ってポートフォリオ全体のリスクを低減させるための分散投資の投資先に適することである。 いくつかの研究ではヘッジファンドが分散投資の投資先として適するという結果を出していたが、逆の結果を出した研究もある。例えば、マーク・クリッツマンによる研究では株価インデックスファンド、債券インデックスファンド、そして10の仮想上のヘッジファンドで平均分散分析を行い、分析結果である平均分散最適ポートフォリオは運用報酬が高いためヘッジファンドが含まれなかった。クリッツマンが次に運用報酬なしでの仮定で再び分析を行うと、ヘッジファンドが平均分散最適ポートフォリオの74パーセントを占めた。 分散投資先としての魅力さを低減させるもう1つの理由は分散投資が最も必要とされる下げ相場のとき、ヘッジファンドのパフォーマンスが市場よりも悪い傾向にあることである。例えば、2008年1月から9月までの間、クレディ・スイス/トレモント・ヘッジファンド指数は9.87パーセント下落した。この指数のうち、ショート・バイアス戦略のサブ指数ですら2008年9月中に6.08パーセント下落した。つまり、相関係数が平均的に低いことは魅力的に見えるが、リーマン・ブラザーズが破綻した2008年9月など金融危機の時期には役に立たない可能性もある。
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