出自と普及
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 16:57 UTC 版)
「十一面観世音菩薩随願即得陀羅尼経」の記事における「出自と普及」の解説
中国仏教に本経に言及した経録(経典目録)が皆無であることから、日本で成立した経典とみなされている。 江戸時代に真言宗豊山派の僧・亮汰が分科と注釈を施して刊行することで普及した。 十一面観音に関連した経典は他に四つ存在するが、この経はそれらと比べて小部である。亮汰はその簡略さがかえって普及に適していると考えた。亮汰は本経が偽経であるとはせず、不空訳『十一面観自在菩薩心密言念誦儀軌経』の異訳と推測している。また、法蔵著『華厳経探玄記』に言及される『十一面経』が『十一面観世音菩薩随願即得陀羅尼経』であるとした。その論拠は『十一面観自在菩薩心密言念誦儀軌経』と『十一面観世音菩薩随願即得陀羅尼経』が説法を行った場所として共に補陀落山を設定しているという点である。 歓喜天を抑え回心させた尊格として十一面観音がまつられる関係から、歓喜天に対し本経が読謡される。その一例として待乳山本龍院が発行する経本『大聖歓喜天禮拜作法 全』に収録されている。
※この「出自と普及」の解説は、「十一面観世音菩薩随願即得陀羅尼経」の解説の一部です。
「出自と普及」を含む「十一面観世音菩薩随願即得陀羅尼経」の記事については、「十一面観世音菩薩随願即得陀羅尼経」の概要を参照ください。
- 出自と普及のページへのリンク