冬至のイベント
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/01 05:48 UTC 版)
年に1度冬至の朝、日の出の際の太陽光が約17メートルの長い通路に射し込み、部屋の床を照らす。偶然このようになったとは考えにくい。M. J. O'Kelly は1967年12月21日、現代人としては初めてこのイベントを観測した。 太陽光は、おそらくこのために考案されたと思われるルーフボックスと呼ばれる入り口のすぐ上の開口部から射し込む。羨道墳でこのように太陽光を考慮して設計されたものは一般的ではなく、ルーフボックスを備えた数少ない羨道墳である(他に Carrowkeel Megalithic Cemetery の Cairn G がある)。ルーフボックスは入り口の上にあるため、やや斜め上方から日光が射し込むため、石室の床が照らされることになる。 現在は日の出から4分後に日光が射し込むようになっているが、地球の歳差に基づいて計算すると、5000年前には日の出と同時に日光が射し込んでいた。ニューグレンジの正確さは、同様な現象が見られるドウスやスコットランド沖にあるオークニー諸島のメイズハウよりもずっと高度である。 今では、ニューグレンジを訪れた観光客にこのイベントを再現して見せるため、電灯を使っている。ツアーの最後に観光客が石室にいる状態で照明を切り、冬至の日の出方向から電灯で石室を照らす。このため、どの時期に訪れても冬至のイベントを疑似体験できる。また、ニューグレンジを訪れた人々にはくじが配布され、抽選で何人かが冬至当日のイベントに招待される。このくじの導入と電灯を使ったイベントの再現により、ニューグレンジは人気の観光地となっている。
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