円錐曲線による作図
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 06:39 UTC 版)
代数的解法は重要であるものの、歴史的にはそれよりも先に、作図による三次方程式の幾何学的解法が模索されていた。このような解法は、古代ギリシアのメナイクモス(英語版、ギリシア語版)に始まり、セルジューク朝期ペルシャのウマル・ハイヤームによって一般化された。 xy 平面上の 2 つの放物線を表す式 x 2 = p y ( p > 0 ) {\displaystyle x^{2}\,=py(p>0)} y 2 = q x ( q > 0 ) {\displaystyle y^{2}\,=qx(q>0)} において y を消去すると、 x 4 = p 2 q x {\displaystyle x^{4}\,=p^{2}\,qx} となり、この 2 つの放物線の交点の x 座標は、 x = 0 , p 2 q 3 {\displaystyle x=0,{\sqrt[{3}]{p^{2}q}}} となり、x = 0 でない方の交点の位置によって x 3 = p 2 q {\displaystyle x^{3}\,=p^{2}\,q} という形の三次方程式の解が得られることになる。特に q = 2p ととれば、立方体倍積問題と同値な三次方程式 x 3 = 2 p 3 {\displaystyle x^{3}\,=2p^{3}\,} の実数解を、線分の長さとして得たことになる。 また、放物線と円を表す式 x 2 = p y ( p > 0 ) {\displaystyle x^{2}\,=py(p>0)} x 2 + y 2 = q x ( q > 0 ) {\displaystyle x^{2}\,+y^{2}\,=qx(q>0)} において同様に y を消去すれば p 2 x 2 + x 4 = q x {\displaystyle p^{2}\,x^{2}\,+x^{4}\,=qx} であり、x = 0 以外の交点を求めることは x 3 + p 2 x = q {\displaystyle x^{3}\,+p^{2}\,x=q} という三次方程式の実数解を与えるのと同じである。 一般に、 a3 x3 + a2 x2 + a1 x + a0 = 0 (a3 ≠ 0) という三次方程式は x 2 = p y ( p > 0 ) {\displaystyle x^{2}\,=py(p>0)} a3 p2 y2 + a2 p x y + a1 x2 + a0 x = 0 (a3 ≠ 0) というように、放物線と、もう 1 つの円錐曲線の組み合わせでも書けるし x 2 = p y {\displaystyle x^{2}\,=py} ( a 3 x + a 2 ) p y + a 1 x + a 0 = 0 {\displaystyle (a_{3}x+a_{2})py+a_{1}x+a_{0}=0} のように、放物線と双曲線の交点としても表すことができる。
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