内部における変化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 14:45 UTC 版)
卵割期には細胞分裂は非常に素早く進行する。これは、分裂に必要なタンパク質の合成のためのmRNAが、卵形成の過程で母親によって与えられているためである。これを母性mRNAという。それに対して両生類などでは、この時期から受精卵の核のゲノムからの転写が始まる。そのために分裂に際して新たにmRNA、そしてそれによるタンパク質の合成が行われるようになり、分裂の速度は遅くなる。また分裂後に細胞が成長する、分裂が同調しなくなるなどの変化も起きる。この時期を中期胞胚変移(Mid-Blastula Transition、MBT)という。 また、原腸胚期に原腸陥入の先端に立ち、神経誘導を行う形成体は、この時期に植物極側の細胞によって誘導されて分化する。これを中胚葉誘導という。 また、アフリカツメガエルのこの時期の動物極部分をアニマルキャップと言い、これは切り出した部分が帽子状であることによる。この部分を切り離して培養すると不整形表皮という表皮のようなはっきりしない塊状となり、全く未分化の細胞塊と見なせる。そのため、この部分に誘導因子と思われる物質を与えて分化の様子を見ることで、誘導の活性があるかどうかが判定出来る。そのため、この判定法をアニマルキャップ検定という。
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