全国道徳団体連合大会
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教化団体の組織化の端緒を開いたのは、1915年11月に京都市内で開催された全国道徳団体連合大会であるといわれる。これは、大正天皇の即位礼が京都御所で挙行されたのを契機に開かれたもので、元情報将校の花田仲之助らの呼びかけにより58の団体が参加した。大会の中心は、花田の主催する報徳会、および一徳会であった。花田の報徳会は、報徳思想系のいわゆる報徳会はなく、教育勅語を奉戴する団体であり、一徳会もまた教育勅語を奉戴する団体である。この第1回大会には内務省の後援もあり、内務大臣一木喜徳郎が出席して祝辞を述べるなどした。 翌1916年には第2回大会が開かれる。これは裕仁親王の立太子の礼の契機に東京で開かれたものである。この第2回大会には中央報徳会、日本弘道会、軍事教育会などの教化団体も参加した。このうち中央報徳会については、純然たる道徳団体ではないとされながらも、かねてから道徳の調和のために力を致している関係から主催者に加わることになったという。この大会の初日は600人近くが参加し、文部大臣岡田良平や東京府知事井上友一が祝辞を述べた。2日目には教化団体の全国組織化について初めて議論した。 第3回大会は1918年に東京で開催される。この大会は中央報徳会、修養団、日本弘道会、軍事教育会、史跡名勝天然記念物保存会の5団体の共催によるもので、内務大臣床次竹二郎らが出席し、50の教化団体が参加し、300人が来場したが、前の2回の大会と様子が異なり、従来主催者であった花田らの参加を確認できない。教化団体の組織化が議論されることもなく、この第3回大会の後、全国道徳団体連合大会が開かれた形跡はない。
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