元になった本と書写態度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/28 07:01 UTC 版)
「藤原定家自筆本源氏物語」の記事における「元になった本と書写態度」の解説
この写本がどのような写本を書写したものであるのかは全く不明である。定家の父藤原俊成の所持本を元にした可能性を指摘されることがあるが、定家は「元々家には証本と呼びうる源氏物語の本があったが建久年間にそれを盗まれた。それ以後嘉禄元年まで定家の証本とすべき完本はなかった。」と述べており、また注釈書に引かれている俊成本の本文とこの定家本の本文は異なっている。 また、元となったただ一つの写本を忠実に写しとったのか、それとも複数の写本を比較したり、何らかの考察を加えて校訂を施したのかについても、かつては定家が選んだただ一つの写本(古伝本系別本)を忠実に写しとったと考えられていたが、『土佐日記』など定家の他の古典の書写に対する態度との比較や自筆本奧入に含まれる本文に対して校勘の跡が見られることなどから現在では仮名遣いなどを中心にある程度の手が加わっているとする見方が有力である。
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