儒教的性格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 03:45 UTC 版)
律令法の継受法としての性質を強調するあまり、それが日本法制史上に果たした役割を過小に評価するのは、事実と合致しない。 『正倉院文書』その他の資料によると、律令法の公法的部分は、奈良時代においては、継受法とは考えられないほど実際に施行されていた。したがって、中世の武家法の基礎となった慣習法も、純粋な固有法ではなく、律令法を媒介として成長した固有法であった。また律令法は単に法としてばかりでなく、思想史的にも重要な意味をもった。律令法の基本思想は、母法と同じく、儒家と法家の思想であったが、ことに儒家の思想は、日本の律令法でも指導的な意義をもっていた。養老の名例律が、不孝を、不義などの罪とならべて、八虐の一つとした。例えば、祖父母・父母、夫の祖父母・父母をなぐり、また殺傷する罪を悪逆のなかにいれて、恩赦のさいにもこれをゆるさない規定を設けているのは、儒教の道徳を法制化したものにほかならない。
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