催奇形性と生殖への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 02:57 UTC 版)
「フタル酸ベンジルブチル」の記事における「催奇形性と生殖への影響」の解説
ヒトに対するBBPの生殖への影響について行われた研究はわずかだが、結果は決定的ではない。NTP-CERHR (米国国家毒性プログラムのヒト生殖リスク評価センター) によると、暴露された男性の生殖への悪影響はごくわずかである。しかし、ある研究では、精液の質の変化と、BBPの主要代謝物であるフタル酸モノブチルへのばく露との間に関連性があることがわかった。ヒトに対するBBPの催奇性効果に関する研究は行われていない。しかし、多くの研究が動物で行われてきた。ラットにおける高レベルのBBPへの出生前暴露は、胎児の体重を低下、胎児の奇形の発生率の増加、着床後の喪失、さらには胚の死滅につながる可能性がある。ラット胎児で観察された正確な催奇形性効果は、発育中のばく露期間に関連しているらしい。 妊娠前半のBBPへのばく露は胚致死につながり、後半のばく露は奇形原性へつながる。2世代の研究で、雄の子孫は精巣に肉眼的および顕微鏡的変化があり、精子産生の低下に加えて血清テストステロン濃度が低下していることがわかった。さらに、精嚢重量の減少が観察されている。これらの結果は、受胎能力への明らかな悪影響を示している。
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