倉橋羊村とは? わかりやすく解説

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倉橋羊村

倉橋羊村の俳句

はみ出してゐてもわが道西行忌
仕切り直して蠅虎も夜長なり
仮の世のほかに世のなし冬菫
夕映えは遠き橋より麦の秋
存念はもののふのまま西行忌
屋上より落下地点を思ふ冬
日光も月光も秋菩薩かな
深眠りして白蛇たること忘れたる
生死みなひとりで迎ふ冬木立
落葉降るひかりの中を妻とゆけり
 

倉橋羊村

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/23 23:23 UTC 版)

倉橋 羊村(くらはし ようそん、1931年昭和9年〉4月28日 - 2020年令和2年〉2月11日[1])は、日本俳人。俳誌「」主宰。本名は倉橋 裕(くらはし ゆたか)。

略歴

神奈川県横浜市に生まれる。戦時中の1945年厚木市へ縁故疎開し神奈川一中(現神奈川県立希望ヶ丘高等学校)から厚木中学(現神奈川県立厚木高等学校)に転入、学徒動員を受ける[2]青山学院大学経済学部卒業。1952年、水原秋桜子に師事し、1954年には俳誌「馬酔木」の雑詠欄「馬酔木集」の巻頭を飾るなど主力として活躍し、青の会賞を受賞する。1964年には「」を創刊した藤田湘子にしたがい編集長として参加するも、後に退会。1989年、青木泰夫より「」主宰を継承。

2003年、句集『有時』にて第21回日本文芸大賞を受賞、2006年、第2回日本詩歌句大賞受賞。南日本新聞俳壇選者、現代俳句協会幹事長・同顧問、日本ペンクラブ監事、日本現代詩歌文学館振興会副会長、国際俳句交流協会副会長、日本文芸家協会会員。

2020年2月11日、川崎市内の高齢者施設脳梗塞のため死去[3]。88歳没。

作風

師と仰いだ秋桜子に倣い、俳句は総合芸術との見地に立って、幅広く文芸、絵画など日本伝統の美を吸収しつつ、抒情性を深めた句が特徴である。また、作品に光と影を捉え、そこに自己を投影した作品に特色がある。

著書

句集

  • 『渾身』 牧羊社、1991年
  • 『愛語』 花神社、1996年
  • 『有時』 本阿弥書店、2001年
  • 『打坐』 角川書店、2005年

評論・エッセイ

  • 『水原秋櫻子』 角川書店、1987年
  • 『秋櫻子とその時代』 講談社、1989年
  • 『道元』 講談社、1990年
  • 『俳壇百人(上・下)』 牧羊社、1993年
  • 『俳句を味わう』 飯塚書店、1995年
  • 『俳句添削入門』 飯塚書店、1995年
  • 『俳句こそわが文学・水原秋櫻子』 安楽城出版、1996年
  • 『人間虚子』 新潮社、1997年
  • 『愛・俳句創作百科』 飯塚書店、1997年
  • 『禅僧山頭火』 沖積舎、1997年
  • 『私説現代俳人像上・下』 東京四季出版、1998年
  • 『魅力ある文人たち』 沖積舎、1998年
  • 『師弟炎炎』 本阿弥書店、1999年
  • 『俳句実作辞典』 東京堂出版、2000年
  • 『道元の跫音』 北溟社、2004年
  • 『季語を味わう』 飯塚書店、2006年
  • 『水原秋櫻子に聞く』 本阿弥書店、2007年
  • 『おはよう俳句』 北溟社〈詩歌句新書〉、2007年
  • 『道元の心 俳句の心』 朝日新聞社、2008年

その他

  • 『自解100句選・倉橋羊村集Ⅰ』 牧羊社、1987年
  • 『無念でごわす』 蝸牛社、1999年
  • 『自解100句選・倉橋羊村集Ⅱ』 牧羊新社、2002年

脚注

  1. ^ 倉橋羊村さん死去”. 朝日新聞デジタル (2020年2月14日). 2020年8月1日閲覧。
  2. ^ 戸陵会だより 2007年9月1日”. 2020年6月18日閲覧。
  3. ^ “俳人の倉橋羊村氏死去”. 時事ドットコムニュース. (2020年2月13日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2020021300893&g=soc 2020年2月14日閲覧。 

参考文献

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