便壺式便所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 15:02 UTC 版)
便壺式便所(ส้วมถังเท:スワム・タンテー)は、穴式便所と同様の特徴を持つが、穴の中に便を受ける壺が備えられている。便は用意された壺に排泄された後に捨てられる。 多くの場合、便は毎日集められ、捨てられる。 バンコクで初の清掃会社サアート社(บริษัทสอาด)は、1897年に創設され、バーンクンパーン(บางขุนพรหม)を拠点に排泄物の回収運搬を行った。サアート社は20年に渡り、事業を行ったが、その後事業をオーンウェーン社に事業を売却。オーンウェーン社がバンコク市内最大の排泄物回収企業となり、公衆衛生局やバンコク市民から排泄物の回収権を獲得していった。 便壺の処理価格は便壺1個あたり平均して1バーツまたは月6サルン。便壺の利用は義務ではなく、この便壺方式を利用したくない人は公衆便所を利用することもできた。一度便つぼを買うと顧客はサービスを利用することができ、毎晩深夜になると、清掃会社は二頭の牛を使って、四方がトタン板でぴったりと閉じられた回収容器を積んだ荷車を引いて回収した。車一台にはおよそ30-40壺分を積むことができ、事務所で新しい回収容器と交換する。便壺式便所は維持や伝染病の予防に手間のかかる便所であったので、あまり国民に普及することは無かった。
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