侵入阻害剤
【概要】 HIVが細胞のCD4という糖蛋白が接着するのが第一ステップ。そのあと第二ステップであるHIVの膜と細胞膜が融合してHIVの中身が細胞の中に侵入するところを、ブロックするように設計された薬。融合を阻止する薬は特に融合阻害剤と独立させて言うこともある。新しいメカニズムの抗HIV薬として期待され、欧米ではエンフュヴァタイドが唯一発売されている。
【詳しく】 第二ステップの前に、HIVのgp120と細胞のCD4受容体が結合するとgp120の構造に変化が起こる。このgp120-CD4複合体が、細胞側にある二つ目の受容体(コレセプター)であるケモカインレセプター(CCR5またはCXCR4)と結合する。この第二ステップがおこると、ウイルスの膜とCD4陽性細胞の膜が融合する。そして第三ステップとして、ウイルスの中身が細胞の中に流れ込んでいく。この第二ステップから第三ステップの過程を止める薬が侵入阻害剤である。現在、欧米で臨床試験中のものがある。侵入阻害剤の薬の一般名には「・・・・viroc」という語尾をつけている。人間の蛋白は変異が起こりにくいので薬剤耐性化は発生しにくいと期待される。

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