例解新国語辞典
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/08 10:25 UTC 版)
例解新国語辞典 | |
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言語 | 日本語 |
類型 | 小型国語辞典 |
愛称・略称 | 例解新 |
編者・監修者 | 監修:林四郎、編者:篠崎晃一、相澤正夫、大島資生 |
出版地 | 東京 |
出版者 | 三省堂 |
最初の版 | 初版 |
最初の出版日 | 1984年2月1日 |
最新版 | 第11版 |
最新版出版日 | 2025年1月10日 |
バリエーション | 普通版、とくべつデザイン |
デジタル版 | ことまな+ |
最新版の項目数 | 約6万語 |
排列 | 五十音順 |
数量 ; 大きさ | 1536p ; B6 |
図書番号 | ISBN 9784385137162 |
ウェブサイト | https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/dict/ssd13716 |
『例解新国語辞典』(れいかいしんこくごじてん)は、三省堂が発行する、日本の中学生向け小型国語辞典[注釈 1]。略称は『例解新』(れいかいしん)。初版発行は1984年と歴史があり、改訂ペースも比較的早い[2]。中学の教科書から言葉を採集しているほか、方言や誤用に詳しく、表現に関する補説も充実していることが特徴である[3]。第11版からは、中学生向けの国語辞典では初の、オールカラー紙面となった[4][5]。最新版は2025年に発行された第11版で、収録語数は約6万語[4]。
特色
収録語数は約6万語と、中学生向け国語辞典の中で最多である。用例や類義語、対義語を豊富に掲載しているほか、第11版の改訂では、古語、ICT関連用語も増補した[4]。
三省堂辞書出版部の山本康一は、第11版刊行時に、「NHK BSドラマ「舟を編む」でもモチーフとして使われた「からかう」の[方言]"山梨では、「手を尽くす」という意味でも使う"のように、ある地方の特有の語だけでなく、共通語と同じ語形だが、違う意味を持つ「気づかない方言」も豊富に掲載しています」と述べている[6]。
また、誤用に詳しいとされる『明鏡国語辞典』と同様に、「注意」欄があることも特色である。ながさわは、「扱われている表現の数は『明鏡国語辞典』よりもかなり少ない」としつつも、「『明鏡国語辞典』が「この表現は誤り」と断言しがちなのに対して、『例解新』は「本来は誤りだが最近はこういう意味で使う人がいる」のようにマイルドな書き方をしていることが多く、書きぶりもだいぶ異なっています」と、その独自の記述を分析している[7]。
評価
鈴木喬雄は、初版の語釈について、「平易であるが水準は高い」[8]「動詞の意味分析については類書にない説明が行われている」[9]と高く評価している。
ながさわは、第10版刊行後に他社の中学生向け国語辞典と『例解新国語辞典』を比較した上で、「『例解新』の項目はバランスがとれていると評価できそうです」と述べている[10]。
脚注
注釈
出典
- ^ ながさわ (2021), p. 13-14.
- ^ ながさわ (2021), p. 211.
- ^ 見坊,稲川 (2021), p. 176.
- ^ a b c “文芸評論家・三宅香帆さんが語る国語辞典の力 「AI時代こそ、自分の豊かな語彙力で気持ちを言語化できる人が強い」”. 朝日新聞EduA. 朝日新聞 (2025年3月26日). 2025年5月4日閲覧。
- ^ “分かりやすく読みやすい紙面 国語も漢和も中学辞典がオールカラーに【国語関連】株式会社三省堂”. 教育新聞. 教育新聞社 (2025年2月17日). 2025年5月4日閲覧。
- ^ 山本 (2025), p. 1.
- ^ ながさわ (2021), p. 220.
- ^ 鈴木 (1985), p. 255.
- ^ 鈴木 (1985), p. 271.
- ^ ながさわ (2021), p. 213.
参考文献
- ながさわ『比べて愉しい国語辞書ディープな読み方』河出書房新社、2021年4月30日。ISBN 978-4-309-30004-7。
- 見坊行徳・稲川智樹文、いのうえさきこ絵『辞典語辞典』誠文堂新光社、2021年1月15日。ISBN 978-4-416-52113-7。
- 山本康一「『例解新国語辞典 第十一版』(三省堂)刊行に寄せて」『図書新聞』第3684巻、武久出版、2025年4月19日、1頁。
- 鈴木喬雄『診断・国語辞典』日本評論社、1985年5月30日。ISBN 978-4-535-57552-3。
外部リンク
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