例外因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/14 21:15 UTC 版)
「ブローアップ (数学)」の記事における「例外因子」の解説
ブローアップ π : Bl I X → X {\displaystyle \pi :\operatorname {Bl} _{\mathcal {I}}X\to X} の例外因子とは、イデアル層 I {\displaystyle {\mathcal {I}}} の逆像によって定義される部分スキームのことである。これは π − 1 I ⋅ O Bl I X {\displaystyle \pi ^{-1}{\mathcal {I}}\cdot {\mathcal {O}}_{\operatorname {Bl} _{\mathcal {I}}X}} と表記されることもある。Proj を用いたブローアップの定義から、この部分スキーム E はイデアル層 ⨁ n = 0 ∞ I n + 1 {\displaystyle \textstyle \bigoplus _{n=0}^{\infty }{\mathcal {I}}^{n+1}} によって定義されることがわかる。このイデアル層はπ についての相対的な O ( 1 ) {\displaystyle {\mathcal {O}}(1)} でもある。 π は例外因子の外で同型写像であるが、しかし例外因子が必ずπの例外軌跡になるとは限らない。つまり、π はE上で同型写像となることもある。これは、例えば I {\displaystyle {\mathcal {I}}} がはじめから可逆層であるような自明な状況で起こる。特に、このような場合では、射πは例外因子を決定しない。例外軌跡が例外因子よりも真に小さくなりえるもう1つの状況は、Xが特異点を持つ場合である。例としてP1 × P1上のアフィン錐Xを考える。XはA4においてxw − yzが消える軌跡として与えることができる。イデアル(x, y) と (x, z)は2つの平面を定義し、どちらもXの頂点を通る。頂点の外ではこれらの平面はXにおける超曲面になっており、したがってそこでブローアップは同型写像になっている。したがってこれらの平面のうちいずれかでのブローアップの例外軌跡は円錐の頂点上に centered しており、結果的に例外因子より真に小さくなっている。
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