低バイパス比エンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/18 14:27 UTC 版)
「ターボファンエンジン」の記事における「低バイパス比エンジン」の解説
低バイパス比エンジンは、バイパス比が概ね1から2未満のものを指す。ファンからの空気排気量が少なく、ターボジェットエンジンに近い特性となる。P&W TF30エンジンがF-111に用いられて以降、超音速飛行が必要な軍用機(とりわけ戦闘機やマルチロール機)のエンジンにも、純粋なターボジェットに代えてターボファンを用いるようになった。ただし従来のターボジェットに比べれば低速向けの特性であるため、音速突破には燃料を短時間で大量に消費するアフターバーナーの使用に頼らなければならなくなっていた。F-22に採用されたP&W F119エンジンはターボファンエンジンの優位性と要求能力の兼ね合いから特にバイパス比が低く設計され、よりターボジェットに近い特性を持つものとなった。これによってターボファンエンジンでありながら、アフターバーナーなしでの音速突破が可能となっている。 亜音速機では後述する高バイパス比エンジンが用いられるが、初期のターボファンエンジンは技術的限界により、亜音速機用であっても低バイパス比エンジンを採用していた。P&W JT8Dはバイパス比が1程度でボーイング727やボーイング737などに用いられた。 ファンからの空気排気はコアエンジンの外側を通り、ノズルにおいてコアエンジンからの排気と混合され排出されるものが多い。これにより排気の速度が平均化され、より適切な排気の速度が得られる。
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