代替事業・立ち消えによるもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/02 00:43 UTC 版)
「中止したダム事業」の記事における「代替事業・立ち消えによるもの」の解説
ダム事業は通常、どの地点にダムを建設するかを調査するところから始まる。これを「予備調査」と呼ぶが、この時点において計画されたダム事業は、そのまま継続して完成する場合もあれば、その後の諸事情によって計画地点を変更したり、あるいは立ち消えで終わる例もある。 ダムを建設しても治水や利水に有効なだけの貯水量(有効貯水容量)を得ることができない場合はダムを建設するメリットが全くないため、大抵予備調査の段階で中止となる。この他、ダム建設に必要な河川勾配や流域の地質が十分な条件に満たない場合や流域に余りにも人家が密集し過ぎてダム建設計画が成り立たない場合も中止となる。前者では釧路川・米代川・雄物川・富士川・加古川・円山川・四万十川・遠賀川といった一級水系の本川がこれに当たり、長良川もこの範疇に入る。こうした水系では、ダムが建設されない代わりに多目的ダムの機能を兼ね備えた可動堰・河口堰や放水路を本川に建設するか、あるいは主な支川に多くのダムを建設して対処する。後者では代表的なものとして四十四田ダム(北上川)があり、当初は現地点より上流部に建設予定だったのが変更となっている。 これらの理由でも計画変更による中止や、立ち消えとなる場合もある。こうしたダムにおいては、計画段階で中止となる例がほとんどであるために型式を始めとする諸元が全く分からなかったり、不確かである場合が極めて多い。
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