交響管弦楽のための音楽とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 音楽作品 > 楽曲 > 管弦楽曲 > 交響管弦楽のための音楽の意味・解説 

交響管弦楽のための音楽

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/15 02:02 UTC 版)

交響管弦楽のための音楽(こうきょうかんげんがくのためのおんがく、Musica per Orchestra Sinfonica)は、芥川也寸志1950年に作曲した管弦楽曲[1]。演奏時間は約9分[2][3]

作曲の経緯等

NHK放送25周年記念事業の懸賞募集管弦楽曲応募作として作曲[1]、1950年2月20日に完成された[2]。審査の結果、團伊玖磨交響曲第1番とともに特賞入賞し、作曲者の出世作となった[2][4]

初演

1950年3月21日日比谷公会堂にて近衛秀麿指揮日本交響楽団により初演[1]。なお、1955年に来日したシンフォニー・オブ・ジ・エアにより採り上げられ[2]後楽園球場でのNHK交響楽団との合同野外演奏の模様がニュース映画として残されている[5]

編成

ピッコロフルート2、オーボエ2、コーラングレクラリネット2、バスクラリネットファゴット2、コントラファゴット
ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、チューバ
ティンパニバスドラムスネアドラムシンバル
弦五部

構成

二楽章構成。

第1楽章 Andantino

三部形式。スネアドラム、チェロ、ファゴットにより単調なリズムが刻まれる中、オーボエ、クラリネットが断片的だが軽妙な主題を奏し、これに弱音器付きのトランペットが応答する。続いて、ホルンに導かれてヴァイオリンが細かな動きの主題を奏する。中間部に入ると、コールアングレにより哀しげなメロディが奏され、徐々に他の楽器に広がる。やがて曲の冒頭の感じに戻り、同様に進行して終わる。第2楽章は続けて奏される。

第2楽章 Allegro

ロンド形式。おおまかな構成はA-B-A-C-B-A-C-B。シンバルの一撃後、トランペットとトロンボーンにA主題が強奏で現れ、続いて全楽器で奏される。B主題は木管で開始される軽妙なもの。再度A主題が低弦に登場、全合奏された後、三連音を含むC主題が弦楽器で奏される。B主題が続いて奏された後、A主題が弱音でトロンボーン、弦楽器に登場、急激に盛り上がり、変拍子も交えたクライマックスを形成する。全休止の後、低音によるC主題、B主題の順に登場、決然と終わる。

参考文献

脚注

  1. ^ a b c 現代日本の管弦楽作品表〈1912〜1980〉(『フィルハーモニー』特別号(53巻9号)) NHK交響楽団、1981年9月, pp52-53
  2. ^ a b c d 石田一志「芥川也寸志 交響管弦楽のための音楽」『最新名曲解説全集7 管弦楽曲IV』(音楽之友社, 1980, pp429-431)
  3. ^ 「現代日本の管弦楽作品表」および全音楽譜出版社のミニアチュアスコアでは、約12分となっている。
  4. ^ 後にテレビコマーシャルでも編曲された第2楽章の一部が演奏された。
  5. ^ この時の指揮者ソーア・ジョンソン(Thor Johnson , 1913 - 1975)によりアメリカでも盛んに演奏され、楽譜も出版された。
  6. ^ 全音楽譜出版社 2021年12月9日閲覧。




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「交響管弦楽のための音楽」の関連用語

交響管弦楽のための音楽のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



交響管弦楽のための音楽のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの交響管弦楽のための音楽 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS