五蓋との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/20 02:42 UTC 版)
禅定(四禅)における心所の構成要素である五禅支と、その妨げとなる煩悩としての五蓋は、ちょうどトレードオフ(入れ替え)の関係にある。 五禅支と五蓋の対応関係は、以下の通り。 五禅支五蓋註尋(じん、vitakka, ヴィタッカ) 惛沈睡眠(こんじんすいみん、thīna-middha, ティーナ・ミッダ) - 倦怠・眠気 (意識を保てていれば倦怠・眠気は起きない) 伺(し、vicāra, ヴィチャーラ) 疑(ぎ、vicikicchā, ヴィチキッチャー) - 疑い (意識が対象から外れなければ、疑いは起きない) 喜(き、pīti, ピーティ) 瞋恚(しんに、byāpāda, ビャーパーダ) - 悪意・憎しみ 楽(らく、sukha, スカ) 掉挙悪作(じょうこおさ、uddhacca-kukkucca, ウッダッチャ・クックッチャ) - 心の浮動・後悔 一境性(いっきょうしょう、ekaggatā, エーカッガター) 貪欲(とんよく、kāmacchanda, カーマッチャンダ) - 渇望・欲望 したがって、(四無量心(慈悲の瞑想)や仏随念などによって)五蓋を抑えつつ、五禅支を高めていくことで、近行定、そして安止定としての禅定に入って行きやすくなる。
※この「五蓋との関係」の解説は、「五禅支」の解説の一部です。
「五蓋との関係」を含む「五禅支」の記事については、「五禅支」の概要を参照ください。
- 五蓋との関係のページへのリンク