五の形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 08:49 UTC 版)
五の形(いつつのかた)は、1887年(明治20年)に作られた攻防の理合いを「水」にたとえて表現したもの。高尚に表現された理合いを芸術的な動作で表現する。5本の動きからなるが、それぞれには名前がない。嘉納は最初の2本は起倒流と趣を同じにしているが、あとの3本は昔の柔術には全くなかったものだとしている。天神真楊流に極意口伝として伝えられていた形であった、押返(おしかえし)、曳下(曳外)(えいげ)、巴分(ともえわかれ)、浪引(ろういん)、石火分(せっかのわかれ)がこれらに相当するとする説もあるが、講道館の公式な見解にはみられない。 天神真楊流の押返では受が先に取を押すのに対して五の形の一本目では最初から取が受を押し始める点に相違がある以外は全て同じ内容である。 このかたちは1992年(平成4年)講道館で統一された。 講道館のテキストでは、以下の様に説明されている。 一本目(小さな力でも合理的に間断なく攻めれば, ついには大きな力をも制する理の表現) 二本目(強大な攻撃に対し, その力をそのまま利用して制する理の表現) 三本目(渦潮の内円が外円を制する理の表現) 四本目(大波が岸部に打ち寄せ、何物をも呑み込んで引き返す理の表現) 五本目(正面から打ち寄せる大波に直面し、一瞬、実を捨ててこそ浮かぶ瀬もある理の表現。宇宙の現象を表現したとの説もある)
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