乾し肉・乾し魚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 00:59 UTC 版)
アイヌ語では乾し肉をサッカㇺ(satkam)、乾し魚をサッチェㇷ゚(satcep)、ニケルイ(nikeruy)、アタッ(atat)と呼ぶ。 特に秋の鮭は当座の生食用以外に大量に獲られ、次に来る冬の半年を生き抜くための保存食に加工された。まず頭と内臓を取り除き、戸外の物干しで乾燥させてから屋内に取り込み、囲炉裏の煙に当てて燻製にする。夏のイチャニウ(icaniw マス)やトゥクシㇱ(tuksis アメマス)は蝿の害を防ぐため、開いてから火で炙り、焼き干しに加工する。これら乾し魚、焼き干しはそのままほぐして食べるか、水でもどして汁の実、煮物として食された。産卵後の鮭で作った乾し魚は味が落ちるので、食べる際は魚油を加えて煮込み、旨味を足す。 腹を開いた際に得られるウㇷ゚(up 白子)やチポㇿ(cipor 筋子)も乾燥して保存し、オハウ(ohaw 汁物)の出汁やサヨ(sayo 粥)に用いられた。 獣肉はごく新鮮なうちは肉から内臓まで生で食されるが、やはり狩猟の端境期を考えて乾し肉に加工される。ユㇰ(yuk 鹿)、キムンカムイ(kimun kamuy ヒグマ)の肉を細かく切り分け、大鍋で軽くゆでる。汁気を切った後、囲炉裏の上に吊るし、乾燥させつつ煙を当てる。このサッカㇺ(乾し肉)はそのまま食べるか、水から煮込んで汁物にする。
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