主権にかかわるモロッコ側の議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 06:05 UTC 版)
「緑の行進」の記事における「主権にかかわるモロッコ側の議論」の解説
モロッコによれば、モロッコ国家による主権の行使は、スルターンに対する公的な忠誠誓約によって特徴的に表現されているとする。この忠誠がスペインによる占領の数世紀前から存在しており、かつそれは法的、政治的関係であった、というのがモロッコの意見である。たとえばスルターン・ハサン1世がこの領域に対する外国の侵略に終止符を打ち、正式に部族長やカーディー(法官)を任ずるために2度にわたる遠征を行ったこと、さらに国際司法裁判所での弁論では、さらに主権行使の例として租税徴収についても言及している。また地方レベルでの統治者や軍官への任命と任務の配分も主権行使のあらわれとしている。 またモロッコ政府は、1861年のスペイン、1786年および1836年のアメリカ合衆国、1856年のイギリスとの条約も示している。 しかし司法裁判所は「モロッコの論拠とする国内的、国際的行動のいずれも当時における西サハラとモロッコ国家のあいだに領土的主権に関する法的拘束の存在、あるいはそれに対する国際的認知を示すものではない。モロッコ国家特有の構造を考慮してさえ、それらの論拠はモロッコが西サハラにおけるいかなる実効的排他的活動をも示すものではない」と指摘している。
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