主権の制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 07:11 UTC 版)
戦後は、平和主義と国際協調主義の下、主権を制限し、または国際機関に委譲できる旨の規定を有する憲法(ドイツ連邦共和国基本法第24条、イタリア共和国憲法第11条)があるが、これが伝統的な絶対性を特徴とする主権概念の相対化を示すものであるかどうかは議論がなされている。 他方、佐々木毅は主権制限論に対して内在的制限と外在的制限という二つの基準を設定し、内在的制限では主権の絶対性は制限を内包したものと解し、他方の外在的制限では、主権は無制限絶対的であるが他の国家構成要素との関係で外在的に制限を受けるとする。このような制約外在説では、ボダンのいう「正しき統治」は統治論の問題となり、主権を主権たらしめるものは諸制限への服従ではなくその権力の永遠性と絶対性であり、従って主権論の中でその制限論に言及する必要はないとされる。
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