中島敦の会
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「中島敦の会」は、中島がかつて勤務していた横浜高等女学校(現・横浜学園高等学校)の教え子たちを中心に発足した会である。毎年、命日の12月4日近くの日曜日に会合を開いて、講演会などを催し、年に1回、会報も発行した。彼女たちが存命中には教え子の鼠入陽子(旧姓・山田)や金子いく子がおもに代表世話人をしていた。 2017年現在は、事務局は横浜学園高等学校(横浜学園)に置かれ、横浜学園理事長の田沼智明や田沼光明が会長を務めている。同会は1992年(平成4年)9月27日にホテルニューグランドのペリー来航の間において「没後50年 中島敦を偲ぶ会」を開催しており、陳舜臣、白川静、佐藤全弘を推薦人として酒見賢一に「没後五十年中島敦記念賞」を授与した。中島敦の会主催の記念朗読会もあり、児玉朗かたりよみ「悟浄出世」、古屋和子ひとり語り「文字禍」「幸福」、そして観世栄夫演出による第一回は豊竹呂太夫の「山月記」、豊竹咲太夫「名人伝」、第二回は観世栄夫・野村万作・ 野村万之丞「李陵」の朗読が開催された。 また、同会は神奈川近代文学館の企画展も後援し、同館で没後75年のイベントも主催した。生誕100年の2009年(平成21年)には『山月記』や『名人伝』を舞台化した野村萬斎を招いての朗読会も開催している。 なお、研究者の村山吉廣も中島敦の会に参加しており、同会が発行する以下の研究書は神奈川近代文学館で販売されている。 山下真史、村田秀明『中島敦「李陵・司馬遷」定本篇・図版篇』、中島敦の会 発行、神奈川近代文学館 発売、2012年11月、NCID BB11149211。 山下真史、村田秀明『中島敦「李陵・司馬遷」註釈篇』、中島敦の会 発行、神奈川近代文学館 発売、2018年11月。
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