両生類・爬虫類・鳥類の前肢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 10:12 UTC 版)
両生類と爬虫類では、アシナシイモリやヘビといった手足を持たないものが存在する。海生カメ類は鰭状の手足を発達させているが、過去に目を向ければ海生爬虫類のほとんど全てが鰭状の手足を具えていたことに気づく。中生代の翼竜は、鉤爪を持つ第1・第2・第3指と、胴体との間に皮翼を張るための長い第4指を発達させていた(第5指は退化。図-1の1.参照)。ブラキオサウルスやトリケラトプスといった大型の植物食恐竜や現生のゾウガメは、長鼻目と同じく、体重を支えることのできる分厚い蹄を持っている。肉食性と樹上生のものは鉤爪を持つタイプが多く、特に現生のものでは種による著しい形態的差異は認められない。これは彼らに多様性が無いからではなく、現世が哺乳類隆盛の時代であることに起因する。 鳥類の前肢は、翼となった(俗用、日常的には、食用の鳥類の翼を「手羽」と呼ぶことはある)。軽量化を課題とした鳥類は進化して第1指を矮小化させ、第4指と第5指は退化・消滅させている。第2指と第3指は癒着して前腕の一部となり、翼を構成する(図-1の3.参照)。小型羽毛恐竜(前肢を有する)から分化したと考えられている。
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