丕緒の鳥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 08:32 UTC 版)
慶国の新王即位にともない、大射の準備を命じられた羅氏の丕緒は、蕭蘭が行方不明になって以来足が遠のいていた冬官の工房へ赴き、馴染みの羅人の青江らと共に大射に使う陶鵲をどうするか悩む。百数十年、自分には断片的な噂しか聞こえてこない雲海の上の意思に翻弄され、時には親しい者を失ったことを思い出しながら、陶鵲の意匠を思案する丕緒。農村にいる取り分け目立つ鳥ではない鵲を陶鵲に使う理由、その陶鵲を祝賀に際し射ることの意義など、長い間考えているうちに、鵲は民を意味するものではないか、と思い至った丕緒は、陶鵲の意匠に自分の思いを込めるようになっていく。蕭蘭の思いを汲み取りながら丕緒と青江は陶鵲を作り上げ、大射に臨む。大射は成功し、その夜の打ち上げの祝杯の最中、丕緒は新王に呼び出される。女王は御簾越しに丕緒の大射を「ただ美しかった」と褒め、「今度は御簾など無しに、二人で見たい」と丕緒に語った。丕緒は今回の一件で満足して官を退く気でいたが、彼女の言葉を聞いて、波を越えて矢をかわして彼女の下に飛び込む1羽の陶鵲を思い描いた。
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