不応期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/12 08:46 UTC 版)
次に、活動電位は不応期と呼ばれる刺激に反応しない期間に移る。不応期はNa+チャネルが不活性化状態となっているために生じる。詳細は後述。 不応期は一方向への活動電位の伝導を保証する。不応期がなければ原理的には活動電位は軸索の両方向へと伝導が可能である。しかし実際には活動電位の伝導方向の後ろは不応期となっているため、活動電位の「逆流」が起こらないようになっている。
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不応期
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/27 17:04 UTC 版)
不応期はNa+チャネルが不活性化状態となっているために生じ、便宜上、絶対不応期と相対不応期にわけられる。 絶対不応期はいかに電位が変化しようとも活動電位が発生しない期間をいう。これはほとんどすべてのNa+チャネルが不活性化状態となっているためである。 相対不応期(絶対不応期の次にくる)は、強い刺激を与えれば活動電位の発生がおこる期間をいう。活動電位が発生しづらくなっている原因は二つである。一つ目の原因として、細胞がまだわずかに過分極の状態にあることがあげられる。これは、K+の透過性が静止状態のときと比べ大きなままであるためである。このため、閾値に達するためにより大きな電位変化が必要となる。もう一つの原因は閾値自体の上昇にある。これは、いくつかのNa+チャネルがいまだに不活性であるためである。 よく誤解されるが、Na+/K+ポンプは電位の変化には寄与しない。Na+/K+ポンプは濃度勾配を維持することにより静止電位の維持に寄与する、ということはできるのだが、チャネルと比べるとタイムスケールが長く、電位変化に関わる透過性への影響はチャネルと比べると無視できる程度に小さい。 電位依存性Na+チャネル 電位依存性Na+チャネルは2つのゲートを持つ。Na+はこの2つのゲートが共に開いて初めて細胞内への流入が可能となる。 ゲートの一つは細胞膜の電位に反応して開く細胞質外ゲート(電位依存性ゲート)で、膜が脱分極している間は開き続ける。もう一つの細胞質内ゲート(不活性化ゲート)は通常開いているが、電位依存性ゲートが開くとすぐに閉じてしまう。不活性化ゲートが再び開くのは時間依存的であり、確率的なものである。不活性化ゲートが閉じている間はチャネルが不活性化していると呼ばれ、不応期を生じる主な原因となっている。
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