不公平性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/05 04:39 UTC 版)
マイケル・ルイスが2014年に執筆した『Flash Boys: A Wall Street Revolt』(ISBN 9780393244663、和訳『フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち』)により大きく注目された点としてフロントランニングに近い状況が合法的に生まれているという問題もある。米国では私設取引システムでの証券取引所を介さない取引が盛んだが、ディーラーが各私設取引システムに出した発注には通信や認知のために秒単位のわずかな時間のラグが発生する。高頻度取引を行う業者は、最も早く到着したオーダーからコンピューターアルゴリズムにより自動的に市況を判断して、そのわずかな時間のラグの間に対抗取引を行うことで利鞘を得ることが出来る。実際にこのような取引が行われているかどうかは定かではないが、高頻度取引を行うためには高い演算能力を持ちレイテンシを極力抑えたコンピューターシステム環境の構築が不可欠で、そのようなシステム環境を構築できるのは一部の市場参加者に限られるため不公平性が生じてしまうという問題がある。高頻度取引をしている人の裁定取引の利益は、していない人の損失により成立している。
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