三菱重工業によるクーゲルフィッシャーのデッドコピー品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 09:50 UTC 版)
「燃料噴射装置」の記事における「三菱重工業によるクーゲルフィッシャーのデッドコピー品」の解説
大日本帝国海軍は第二次世界大戦中、同盟国のドイツからの技術導入でインジェクターの国産化を狙ったが、技術機密の流出を危惧したドイツ側に拒否されてしまった。そこでライセンス生産を目的として輸入したダイムラー・ベンツDB601エンジンに装着されていたインジェクターを三菱重工にリバースエンジニアリングさせ、デッドコピー(無許可複製)で生産させていた。三菱重工業が手がけた理由は、同社が戦前期すでに直噴式ディーゼルエンジンを実用化していたことによる。同社の航空機用空冷星型エンジンの他、DB601を国産化した愛知航空機製のアツタ、川崎飛行機製のハ40も、クーゲルフィッシャーの製造ライセンスが得られなかったため、三菱のデッドコピー品を使用していた。しかし、初期は工作の不慣れから、後に工業技術力の低下により、インジェクターとしての完成品のうち検査合格品は2割程度だったとされる。一方、B-29迎撃に活躍した局地戦闘機『雷電』や五式戦闘機など、三菱製インジェクターエンジン搭載機はそれなりの実績を上げている。
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