一般登山者への情報提供の不足
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/24 04:05 UTC 版)
「2014年の御嶽山噴火」の記事における「一般登山者への情報提供の不足」の解説
今回の噴火は地下水がマグマに触れ、蒸発した水蒸気が圧縮されたことによる水蒸気爆発型噴火であった。9月10日には52回、翌11日には85回の火山性地震が観測されており、12日には気象庁は「火山灰等の噴出の可能性」を発表し、各自治体にも通知した。しかし2007年噴火のような山体膨張や火山性微動といったマグマの上昇を示すデータは観測されなかったため、警戒レベルは平常時と同じ「1」のままにし、レベル2(火口周辺規制)には変更せず、その後地震の回数が減ったことから、自治体も注視するに留め、登山者への警戒呼びかけなど新たな対応を求めることはなかった。つまり、自治体の担当者が判断の根拠とした諸情報を組織の内部に抱え込んでいるばかりで、肝心の一般登山者に直近の情報をまったく伝えていなかったため、一般登山者は警戒することすらできなかった。磐梯山噴火記念館の佐藤公副館長は「登山口には電光掲示板などで直近の情報を流すことで、登山客に判断の材料としてもらうことも重要」だと提案した。
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