一方の端が閉じている
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 05:08 UTC 版)
オルガンで使われる時、一方の端が閉じている管は「閉管」と呼ばれる。このような円筒は基本周波数を持つが、その他のより高い倍音または音を作り出すためにオーバーブローイングすることができる。それらのオーバーブローイング音域は、円錐形のテーパーの(細くなる)程度を変えて調律(チューニング)することができる。閉管は長さが2倍の開管と同じ基本周波数で共鳴し、波長はその長さの4倍に等しい。閉管では、変位節(振動しない点)は常に閉じている端にあり、管が共鳴しているならば、開口端の近くのファイ点(長さ× 0.618)に波腹(振動が最大の点)を持つ。 円筒形閉管をオーバーブローイングすることによって、管の基音の約12度上(基音のオクターブの5度上)の音を得ることができる。例えば、閉管の基音がC1ならば、管をオーバーブローイングすることでG2が得られる。この円筒のテーパーを調整して円錐に近づけることで、第2倍音(オーバーブロー音)をオクターブ(8度)に近い位置でチューニングすることができる。ファイ点、あるいは共有されている「波/節」地点に小さな「スピーカー孔」を空けると、基本周波数が打ち消され、管は基音の12度上で共鳴するように強制される。リコーダーでは、左手親指で押さえている背部の孔を指をずらして少し開ける技法が使われる。この小さな穴を上に移動して「エコーホール」にすると(ドルメッチによるリコーダーの改良)、開いた時に基音の正確にオクターブ上の音を鳴らすことができる。正確のオクターブ上の音を出すには、穴の大きさの微細な調整が必要である。 閉管は、以下のおおよその周波数で共鳴する。 f = n v 4 L {\displaystyle f={nv \over 4L}} ここでは、"n" は奇数(1、3、5...)である。この種の管は奇数倍音のみを生み出し、その基本周波数は開管のものよりのオクターブ低い(すなわち、周波数は半分)。 より正確な式は以下の通りである。 f = n v 4 ( L + 0.4 d ) {\displaystyle f={nv \over 4(L+0.4d)}} . ここでも、nが1の時は、 f = v 4 ( L + 0.4 d ) {\displaystyle f={v \over 4(L+0.4d)}} f ( 4 ( L + 0.4 d ) ) = v {\displaystyle {f(4(L+0.4d))}=v} f λ = v {\displaystyle {f\lambda }=v} λ = 4 ( L + 0.4 d ) {\displaystyle \lambda ={4(L+0.4d)}} となる。vは音速、Lは共鳴管の長さ、dは件の直径、fは共鳴周波数、λは共鳴波長である。
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