ヴァーマーチャーラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 02:47 UTC 版)
「ヴァーマーチャーラ」(Vāmācāra)はサンスクリットで「左手の技能」を意味し、「左手の道」あるいは「左の道」(Vāmamārga)の同義語である。この語は標準的なヴェーダの規定に反する異端(Nāstika、ナースティカ)だけでなく、広く普及した文化的規範に対する過激派のような信仰的・精神的実践(sadhana)をも指す。しばしば一般にこうした実践はタントラ的方向を持つとみなされる。ヴァーマーチャーラの対義語はダクシナーチャーラ(Dakṣiṇācāra)であり、正統派(Āstika、アースティカ)だけでなく、ヴェーダの規定に従っていて文化的規範に受け入れられるような精神的実践を指して用いられる語である。しかしながら、左手の実践形態も右手の実践形態もヒンドゥー教、ジャイナ教、シーク教、仏教といったインド諸宗教の正統派にも異端派にも見出される。結局は感性、文化、傾向、イニシエーション、法統(paramparā)の問題であると言える。
※この「ヴァーマーチャーラ」の解説は、「左道と右道」の解説の一部です。
「ヴァーマーチャーラ」を含む「左道と右道」の記事については、「左道と右道」の概要を参照ください。
- ヴァーマーチャーラのページへのリンク