ワグネリアンと福永祐一
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 06:53 UTC 版)
「ワグネリアン (競走馬)」の記事における「ワグネリアンと福永祐一」の解説
騎手の福永祐一がワグネリアンの鞍上に起用されたのは、調教師の友道康夫の方針によるものだった。友道と福永は、厩舎開業前からの関係であり、友道の重賞初勝利はワンモアチャッターの2005年朝日チャレンジカップだったが、そのワンモアチャッターを導いたのが福永だった。友道は、福永の騎乗について「馬の気持ちを大切にしてくれるし、当たりが柔らかい。新馬戦の騎手として理想的」と評している。そのため7月の中京開催、期待の馬が揃う芝2000メートルの新馬戦には、常に福永を重用していた。友道によれば「どの馬を出走させるかは決まっていないけど中京芝2000の新馬戦は空けておいてね、と頼んでいる(笑)」という関係だった。福永は、同条件の新馬戦を2015年ジュンヴァルカン、2016年トリコロールブルーに騎乗しており、3年連続起用となった2017年に出会ったのが、ワグネリアンだった。友道はレース直後の会見で「福永騎手とは(中略)ダービーへの想いも知っていたのでダービージョッキーにしてあげたいという気持ちがずっとありました。厩舎の力で彼を勝たせようと思った」と語っている。 ワグネリアンで優勝してから2年後の2020年、福永は、ホープフルステークス並びに皐月賞優勝馬で1番人気に支持されたコントレイルでダービー2勝目、さらには三冠にまで導いた。それから翌2021年には、毎日杯優勝馬で4番人気に支持されたシャフリヤールでダービー3勝目を挙げており、福永は武豊、四位洋文に続いて史上3人目のダービー連覇を達成。また4年間でダービー3勝という、史上初めての記録を樹立している。 ワグネリアンは2022年1月に落命するが、福永はその頃、香港国際競走での落馬負傷しており、療養中だった。しかしその報告を聞いた福永は、東京から栗東に急行し、手を合わせたという。福永は「自分の人生を変えてくれた、特別な思い入れのある馬。ダービー後はワグネリアンに何も返すことができなかったことが心残り」と述べている。
※この「ワグネリアンと福永祐一」の解説は、「ワグネリアン (競走馬)」の解説の一部です。
「ワグネリアンと福永祐一」を含む「ワグネリアン (競走馬)」の記事については、「ワグネリアン (競走馬)」の概要を参照ください。
- ワグネリアンと福永祐一のページへのリンク