ロング・クロスシート可変改造車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 20:00 UTC 版)
「国鉄72系電車」の記事における「ロング・クロスシート可変改造車」の解説
1972年5月に大井工場で開催された、出来栄え審査会で出品された3両 のうち1両(クハ79929)で、吹田工場のアイデアによる座席改造車である。この車両には、通常のロングシートを昼間の閑散時には自動でクロスシートに転換できる機構が装備されている。クロスシート使用時には、中間の扉2枚を締め切り、ロングシート時の背面部からクッションを引き出して使用することもできた。この予備席については、手動である。 しかし、クロスシート時の背ずり高さがロングシート時のままで、座り心地がよくなかった(頭を後ろに下げると、後ろ側に座っている人の頭にぶつかる)ため営業運転ではロングシート状態のままとされ、クロスシートとしては全く使用されることがなかった。 その後ロングシート・クロスシートの切り替え可能な座席(デュアルシート)は24年後の1996年に近畿日本鉄道が2610系を改造した「L/Cカー」として実用化された。その後、東日本旅客鉄道(JR東日本)仙石線205系3100番台の一部や東武鉄道50090系「TJライナー」などでも採用されている。これは冷房装置の普及に伴い、車両の窓が固定または下降式でロングシートの場合でも窓操作に支障が出ない前提で背ずり高さを上げることにより実現したものである。
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