ロスケリヌスの三神論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/04 16:23 UTC 版)
「コンピエーニュのロスケリヌス」の記事における「ロスケリヌスの三神論」の解説
ロスケリヌスは神の三位格を、三体の天使と同様の独立した存在とみなした。こうした語法が許されたときに本当に神が3柱いると言えると彼は説明した。さもなければ、父なる神と聖霊なる神は子なる神とともに受肉してしまうと彼は続ける。教義の体裁を保つために彼は神の三つの位格が一つの意志と力だけを持つことを認めた[Audio ... quod Roscelinus clericus dicit in tres personas esse tres res ab invicem separatas, sicut sunt tres angeli, ita tamen ut una sit voluntas et potestas aut Patrem et Spiritum sanctum esse incarnatum; et tres deos vere posse dici si usus admitteret (letter of Anselm to Foulques)]。 アンセルムスとアベラルドゥスが提唱者が撤回してからも共同して反駁したこの特徴的な三神論は明らかにロスケリヌスの反実在論を三位一体論に適用したものだと思われる。神の三位格が唯一の神を成すとすれば、三位格が全て受肉することになるともロスケリヌスは主張した。それゆえ神が三位格ならば三体の天使がいるのと同じように三実体ということになるmというのもそれぞれの実体が個体をなすというのが反実在論の根本的な主張だからである。神学者としてのロスケリヌスの思想は哲学者としての彼のそれと強く結びついていた。
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