レンフェ444系電車とは? わかりやすく解説

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レンフェ444系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 01:03 UTC 版)

レンフェ444系電車
444系(左、1987年撮影)
基本情報
所有者 レンフェ
チリ国鉄(譲渡先)
製造所 CAFMACOSAスペイン語版
製造年 1980年 - 1981年
製造数 14編成(3車体連接車14本)
運用開始 1980年
運用終了 2008年(レンフェ)
廃車 2009年(レンフェ)
主要諸元
編成 3両編成(M + Ri + Rc)
軸配置 Bo'Bo' + 2'2' + 2'2'
軌間 1,668 mm
電気方式 直流3,000 V
架空電車線方式
最高運転速度 140 km/h
編成定員 1等座席52人、2等座席160人
車両定員 M車 2等座席72人
Ri車 2等座席88人
Rc車 1等座席52人
車両重量 M車 64.0 t
Ri車 39.0 t
Rc車 48.0 t
編成重量 151.0 t
編成長 79,864mm
全長 M車 25,855 mm
Ri車 26,295 mm
Rc車 26,385 mm
全幅 2,950 mm
全高 4,196 mm
床面高さ 1,380 mm
固定軸距 M車 2,600 mm
Ri車 2,500 mm
Rc車 2,500 mm
台車中心間距離 M車 18,350 mm
Ri車 18,790 mm
Rc車 18,790 mm
主電動機 MB-3165-C(直流電動機、1,500 V、210 A、1,450 rpm)
主電動機出力 290 kW
歯車比 3.22
編成出力 1,160 kW
制動装置 電気指令式ブレーキディスクブレーキ電磁吸着ブレーキ
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6][7]に基づく。
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レンフェ444系電車(レンフェ444けいでんしゃ)は、かつてスペインの国有鉄道であるレンフェ(Renfe)が所有していた電車。都市間列車用に導入され、1980年代から2000年代まで使用された。一方で、大半の車両は2000年代にチリの国有鉄道であるチリ国鉄(Empresa de los Ferrocarriles del Estado)へ大規模な改造を経て譲渡されている[1][2]

概要

1971年に導入された432系スペイン語版によって開始されたレンフェの都市間電車列車は高い成功を収め、電化区間の拡張に合わせて電車を用いた都市間列車の拡大が求められるようになった。これを受け、合計14編成の導入が実施されたのが444系電車である[1][2][8]

編成は3両で、2等座席を備えた電動制御車(M車)、2等座席が設置されていた付随車(Ri車)、1等座席カフェテリアを備えた制御車(Rc車)で構成されており、付随車を外した2両編成での走行も可能だった。車内は冷房に対応した空調が完備されていた一方、暖房は床暖房方式が用いられた。登場当初の塗装は、432系で採用された赤色を基調とした車体に、レンフェのロゴを想起させる黄色の模様が描かれるというデザインであった[1][2][9][3][8]

主電動機は通勤・近郊用電車である440系と同型のものが採用され、電動制御車に設置されていた動力台車に290 kWの直流電動機三菱電機製、MB-3165-C)が2基搭載されていた。先頭車両にはシャルフェンベルク式自動連結器が設置されており、総括制御により最大4編成まで連結運転が可能であった。電圧については、複数の電圧に対応していた432系とは異なり、スペインの在来線における標準電圧に採用された直流3000 Vのみ対応していた[1][2][3][8]

運用

444系は1980年6月1日から、マドリード - アルバセテ - バレンシア(3往復)およびカステリョン・デ・ラ・プラナ(1往復)間を結ぶ4往復の都市間列車で営業運転を開始した。平均速度は100 km/hを超える高速運転を実現させ、その利便性は同区間の線形改良やスペイン各地に都市間列車が拡充される契機となった。それ以降も、444系はレンフェが所有する電化区間に投入され、後継車両となる444系500番台(→448系)タルゴ客車の導入に伴い都市間列車から近郊列車へ用途が変わる中でも全国各地で活躍を続けた。一方、その中で1990年から1991年にかけて塗装が変更された他、翌1992年から1994年にかけて、カフェテリアの撤去、前面の形状変更(前面扉の撤去など)、2等座席の改修といった、近郊列車での運用に合わせた改造工事を受けた[2][6][7]

以降も活躍を続けた444系は、2000年代以降大半の車両がチリチリ国鉄へ譲渡される事となり、2000年 - 2001年2004年 - 2005年の2度に分けて5編成ずつ、合計10編成が大規模なリニューアル工事を経て輸出された。残された4編成は引き続きバルセロナサラゴサを始めとした各都市で営業運転を続けたが、2008年に1編成(444-004編成)が事故で廃車となり、残された3編成も同年12月をもって運行を終了し、翌2009年2月に廃車された。一方、チリに譲渡された車両はその後も引き続きサンティアゴチヤンを結ぶ都市間列車「トレン・チヤン-エスタシオン・セントラルスペイン語版(旧:テラスール、Terrasur)」で使用されている[2][7][10][11]

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c d e Regional Serie 444”. Renfe. 2006年5月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年8月2日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Punto final para los electrotrenes 444”. Mundo Ferroviario (2009年4月15日). 2025年8月2日閲覧。
  3. ^ a b c Alfonso Marco 2007, p. 100.
  4. ^ Alfonso Marco 2007, p. 101.
  5. ^ Alfonso Marco 2007, p. 102.
  6. ^ a b Alfonso Marco 2009, p. 33.
  7. ^ a b c Alfonso Marco 2009, p. 34.
  8. ^ a b c Alfonso Marco 2009, p. 32.
  9. ^ Alfonso Marco 2007, p. 99.
  10. ^ Grupo EFE reunifica sus marcas en EFE, trenes de Chile”. Trenvista (2021年5月24日). 2025年8月2日閲覧。
  11. ^ Miguel Bustos (2020年12月4日). “EFE compra 6 trenes a CRRC para renovar el servicio Santiago-Chillán”. Trenvista. 2025年8月2日閲覧。

参考資料




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