レベル (dB)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/02/11 08:39 UTC 版)
レベル level |
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---|---|
量記号 | L |
次元 | 1 |
種類 | スカラー |
SI単位 | 併用単位 ベル (B), ネーパ (Np) |
レベル (level) とは、ある物理量に対し、その大きさを直接に物理単位で割った値で表す代わりに、対数を取って表した指標である。レベル表現。
数十桁という範囲でかけ離れた物理量を扱う場合、通常の方法では非常に大きな(あるいは小さな)数を扱わなければならないが、対数を取ることで扱いやすい(たかだか2~3桁の)数となる。
レベル表現は一つの表現形式であり、物量量の単位での表現と同一の情報を持つ。分野によっては、もっぱらレベル表現が使用される。
定義
任意の物理量の値Aに対して、レベル L は次のように定義される。
- L = log (A/A0)
A0は基準量で、各分野においてそれぞれに、標準的な設定がされている。A/A0 の対数を取るので、A/A0 は無次元、つまり、A と A0 の次元は同じである。また、その対数である L も無次元である。
対数 log の底は、レベルを表す単位により決まる。ベルなら底は10、ネーパなら底はeである。デシベルはベルを10倍すれば得られるが、101/10 ≒ 1.259 が底と考えることもできるので、他の単位と本質的な違いはない。
- L (B) = log10 (A/A0)
- L (dB) = 10 × log10 (A/A0) ≒ log1.259 (A/A0)
- L (Np) = ln (A/A0)
これらの式でわかるとおり、レベルを表す単位の間は、基準量が同じならば定数倍で換算できる。
A と A0 には任意の物理量を選ぶことができるが、(変位でなく)エネルギー的な量を選ぶことが標準であり、音圧など変位的な量にはa2/a02と二乗する。
Aは一定時間に亘る実効値(エネルギー的平均値)であることが多いが、瞬時値であっても同様にレベルは定義できる。
特殊な単位
dBなど物理量を問わず使えるレベル表現の単位を使うほか、特定の物理量に対しレベル表現をする指標がある。身近な表現としては「桁」があり、巨大な数を簡潔に表せる点など本質的にレベル表現と同じである。
これらは定数倍することでデシベルやネーパに換算できる(デシベルなどを使うのは慣習に反するが)。なお、底が1より小さい場合、指標が大きいほど実際の物理量は小さくなる。
Aの物理量 | 指標 | 底 |
---|---|---|
任意 | 桁 | 10 |
水素イオン濃度 | 水素イオン指数 (pH) | 1 / 10 |
地震のモーメント | マグニチュード (M) | 101.5 ≒ 31.623 |
天体の光度 | 等級 | 10−0.4 ≒ 1 / 2.512 |
音の周波数 | オクターブ | 2 |
音の周波数 | 半音 | 21/12 ≒ 1.059 |
関連項目
「レベル (dB)」の例文・使い方・用例・文例
- こんなに長く住んだのに,この日本語のレベルでは恥ずかしいよ
- 知能ということになれば,彼らはみんなレベルが低い
- 小さい子どもと話をするときは彼らのレベルに合わせなければならない
- 環境問題は社会のあらゆるレベルにわたる
- その問題は国家レベルで論じられるべきだ
- 我々は生徒たちのレベルに合った教科書を探している
- 低レベル放射線を浴びる
- あの教授は学生たちがまるで子どものようにいつもレベルを下げて話している
- 今日の人々は高いレベルの科学技術を享受している
- 臨床的研究の発展並びに診療レベルの向上を目的とする
- レベルが再び5に戻った
- かなり、女の子のレベルが高い
- 彼は自分のレベルを上げた
- これでまた1つ俺のレベルが上がった
- それが最高レベルの安全性能を実現します
- それがRTLレベルのパフォーマンスを実現します
- ほぼ一定のレベルに達します
- 自分のレベルが低い
- レベル1の機能に下記の機能をプラスする
- 彼が加わったことで職場全体がレベルアップした気がする。
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