リバースエンジニアリングにまつわる問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 04:16 UTC 版)
「リバースエンジニアリング」の記事における「リバースエンジニアリングにまつわる問題」の解説
コンピュータウイルスのオリジナルの作者以外が、コンピュータウイルスを入手した際、リバースエンジニアリングによってソースコードを入手し、本来なかった新しい機能を組み込んだり、特定の企業や組織を攻撃するように改造し再配布するといった事例が後を絶たない(改造されたウイルスは亜種と呼ばれる)。 なお、コンピュータウイルスやその他悪意のあるジョークプログラムのように、著作権者が名乗る可能性のないプログラムに関して、それが(この例では同一性保持権などが)著作権などで保護されるのかどうかという点は法的に議論になりうる。 マイクロソフトなどのサーバをDoS攻撃するMyDoomウイルスは、マイクロソフト側が懸賞金を掛け、2004年5月8日までに犯人逮捕に漕ぎ付けるまでに至ったものの、その後も同ウイルスの亜種発生は続き、同年7月26日にはMyDoom.Oに感染したパソコンから検索エンジンに向けて一斉に検索リクエストが殺到、一時的にGoogle等の主要検索サイトが応答しなくなる事件が発生した。このMyDoom.Oの作者は、偶然入手したコンピュータウイルスのMyDoomに対し、リバースエンジニアリングを行ってソースコードを入手・改造して、再配布を行なったと見られている。 この他にも、市販のソフトウェア製品(基本的にはプロプライエタリなソフトウェア)をリバースエンジニアリングによって解析し、本来ならばライセンスキーをインストール時に入力し、さらにはドングル(ハードウェアプロテクト)を常に接続しておかなければ動作しないソフトウェアを、それらがなくても動作するようにするプログラムを製作・配布する人物が、違法な不正コピーソフトウェアの蔓延を助長している例が挙げられる。 一方で、そういったマルウェアを解析し、危険性を分析する行為もまたリバースエンジニアリングであることに変わりはない。
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