リタス導入の遅延
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 09:03 UTC 版)
『リエトゥヴォス・リータス』紙の記者はリタス鋳造・印刷についての情報を追っていたが、鋳造・印刷が遅れているのではないかという情報を入手した。たとえば紙幣印刷の代金600万リタスが1年のあいだ、スウェーデンの銀行の無利息預金口座に預けられたままという情報があった。1992年までにリタスは導入の準備が完了していたが、印刷された紙幣の質が極めて低いもので、とくに10、20、50リタス紙幣は単色で容易に偽造できるようなものだった。 選出されたばかりの大統領アルギルダス・ブラザウスカスはリトアニア銀行総裁ヴィリウス・バルディシスをリタス導入2か月前に職務能力がないとして解任した。バルディシスはのちに300万USドルの損失を与えたことが追及された。またこの件について一部ではロシア連邦保安庁が裏で関与しているとささやかれた。バルディシスは印刷費用の削減を試みたが、偽造防止策は指示していなかったと述べている。また United States Banknote Corporation も契約違反で追及を受けた。 しかしリタス紙幣の見直し、再印刷がなされ、1993年6月に導入されてもなおその品質は低く、リタス紙幣はさらに見直されることを余儀なくされた。このような不祥事と、本来2億USドルが必要であるにもかかわらず1億2000万USドルしか集められなかった金準備の不足によりリタスの評価は傷つけられた。リトアニア銀行総裁に新任されたロムアルダス・ヴィソカヴィチウスはこのような事態に対して迅速に行動し、国民の信頼を獲得した。ところが10月には民間銀行 Litimpex との関係がとりだたされ、ヴィソカヴィチウスは辞任を求められた。
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