リカード型貿易理論(リカード・モデル)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/19 09:48 UTC 版)
「貿易理論」の記事における「リカード型貿易理論(リカード・モデル)」の解説
デヴィッド・リカードが『経済学と課税の原理』(1817;1819;1821)の第7章で提示した数値例が起源となっている。リカードは、ここでイギリスとポルトガルの毛織物と葡萄酒生産にかかわる4つの数字を示した。ポール・サミュエルソンは、それを「4つの魔法の数字」と呼んだ。ポルトガルの生産性が両産業においてイギリスより高いのに、両国の間には貿易が成立すること、それが両国にとって利益があることが重要である(貿易の利益)。貿易は、絶対優位ではなく、比較優位の違いにより生ずると説明した。 比較優位の原理は、比較生産費説とも呼ばれる。この原理については、興味深い挿話が伝えられている。原子物理学者のスタニスワフ・ウラムが「経済学の定理などはすべて自明のものだ」とサミュエルソンをからかったことがあった。サミュエルソンはすぐに答えられなかったが、後に与えた答えが比較優位の原理だった。経済学が 「4つの数字」を巡るリカードの解説については、長い間、間違った解釈がなされてきた。
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