ラーシュトリーヤ・パンチャーンガ
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「インド国定暦」の記事における「ラーシュトリーヤ・パンチャーンガ」の解説
改暦委員会は、多くの地域で用いられている暦と同様に10世紀発行の『スーリヤ・シッダーンタ』(中世インドの数学及び天文学論文)に基づく太陰太陽暦を定義した宗教用の暦「ラーシュトリーヤ・パンチャーンガ」も発行。 「パンチャーンガ」とはサンスクリット語で「5つの要素」を意味し、暦を構成する5つの項目、すなわち太陰日、太陰月、半日、太陽と月の角度、太陽時を指し、古来からインドでは様々な団体により発行されてきた。 ラーシュトリーヤ・パンチャーンガでは、月は、日の出時の恒久星座に対する太陽の位置に基づき、満月の対蹠地点を観測することで計算される。恒久星座を用いた計算により固定閏年の規則は避けられるが毎月の日数が1日ないし2日ずれてしまう。グレゴリオ暦に日付を変換したり、週の曜日計算には天体暦に精通している必要がある。故に、一般市民は地域の天文学的権威が発行するパンチャーンガないし生活暦を参照する。 パンチャーンガは様々な団体から発行されてきたが、時間が経つに連れ、パンチャーンガの権威とされる団体数も増え、各々の地理的な差異や計算方法の差異が現れ始め、地域間で数日の隔たりがある暦が作成されるようになった。同一地域内でも複数の団体が存在することがあり、稀にではあるが、祭日の設定にひと月近い隔たりが生じる場合もある。統一暦「ラーシュトリーヤ・パンチャーンガ」はこのような宗教祭日の混乱を避ける目的で作られた。
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