ランプレディのSOHCエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/12 18:19 UTC 版)
「フィアット・128」の記事における「ランプレディのSOHCエンジン」の解説
ジアコーサ式レイアウトによるメリットは新たなパワーユニットを生んだ。ミニのパワーユニットはイシゴニス式レイアウトに合致して全高を抑えられるOHVエンジンであったが、ジアコーザ方式による全高とコスト面の余裕は、革新的プロジェクトにふさわしい新型SOHCエンジンの開発を可能にした(それに、在来型1100のOHVエンジンは基本設計があまりに古く、また重すぎた)。 エンジン設計をまかされたのは1955年にフェラーリより移籍してきたアウレリオ・ランプレディであった。彼はフィアット入社後、OHVでありながらダブル・ロッカーアームを用いてクロスフロー・多球式燃焼室仕様とした凝った設計の直列6気筒新型ユニットを設計して頭角を現した(このエンジンは上級車種のフィアット2100・2300シリーズに搭載されて非常に成功した)。 続いて1966年、124のための1,197cc4気筒OHVユニットを設計、さらにそのスポーツバージョンとして、1,438ccにボアアップのうえDOHC化した。その2本のカムシャフトの駆動には、当時まだ例が少なかったコグドベルトを採用したことが彼を有名にした。このユニットは、その派生モデルが1990年代まで生産されたほど完成度の高い優秀なエンジンであった。日本でランプレディユニットというとツインカムを指す場合が多い。 ランプレディは128用エンジンにもその経験を活かし、ベルトドライブカムシャフトのSOHC・5ベアリング、カム直打式でボアφ80.5×ストローク55.5mmの超ショートストローク型エンジンを開発した。このエンジンは1,116ccから55馬力を発生する、高回転型エンジンであった。こちらもランプレディSOHCユニットとして有名で、イタリア本国やイギリスでは特にこちらに人気がある。
※この「ランプレディのSOHCエンジン」の解説は、「フィアット・128」の解説の一部です。
「ランプレディのSOHCエンジン」を含む「フィアット・128」の記事については、「フィアット・128」の概要を参照ください。
- ランプレディのSOHCエンジンのページへのリンク