ライトモティーフの機能
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/23 16:18 UTC 版)
「ラインの黄金」の記事における「ライトモティーフの機能」の解説
フランスの音楽学者アルベール・ラヴィニャック(1846 - 1916)によれば、『指環』四部作中に計82のライトモティーフ(示導動機)が数えられ、そのうち34が『ラインの黄金』に現れるとされる。 ライトモティーフは、キャラクターに固有の音型を付けるというような単純なものでなく、一つの動機が複数の概念をはらみ(例:「槍の動機」=「契約の動機」)、さらに別の動機に発展、変容するなど、相互に近親性を持つものがある。例えば、第1場から第2場への転換では、「指環の動機」が「ヴァルハルの動機」へと滑らかに移行する。また、幕切れ近くに初めて示される「剣の動機」は、台本で直接「剣」について語られることがないにもかかわらず、変ニ長調のなかにハ長調で現れ、次作の悲劇を予告するかのような働きをする。これらは、ライトモティーフの体系化を困難にしている。 ワーグナー自身がライトモティーフについて説明したことはなく、『指環』4部作のライトモティーフについて最初に分析したのはハンス・フォン・ヴォルツォーゲン(1848年 - 1938年)である。ワーグナーはヴォルツォーゲンの分析について、「自分でもこれほど見事に分類できない」と語っている。これらは、ワーグナーがライトモティーフの体系化をあえて拒んだことを示唆しているとも考えられている。
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